獣★愛SS~最強ケダモノ男子の特別視線~







「俺が幹部になったら、神亀をぶっ倒してやる!」




ニヤリと口角を上げて、真汰は自信たっぷりにそう言う。



双雷と神亀の争いは、去年から続いているが、決着は一向につかない。


どちらも実力は相当なもので、簡単にはトップになれないのだ。





王雷の幹部の俺としては、双雷がトップになって欲しいんだけど。


双雷と同盟を結んでいる王雷は、そんな願いをするだけ。

直接トップ争いに関わるわけじゃない。







「俺ら王雷の分も頑張ってくれよな」


「任せとけ!」







真汰の実力はいつの間にか、俺に近づいていた。


追い越されないように、俺も鍛えないとな。




弟には、負けたくないし。





そんな他愛のない話をしている途中、俺はふと雫を見た。


雫は、切なそうに悲しそうにどこかを見つめていた。