獣★愛SS~最強ケダモノ男子の特別視線~







雫は強い。


心が、強い。




どんなに深い傷を負っていても、誰よりも真っ直ぐに生きようとしている。







そんな雫をすごいと思う反面、胸が締め付けられた。


その強さは、真っ直ぐさは、一体どんな傷を隠しているのだろうか。




傷の深さがわからないから、余計に不安になる。





「博?」



雫に名前を呼ばれて、ハッと我に返る。



「どうかした?」


「なんでもないよ」









何も知らないからこそ


雫が今にもどこかへ儚く消えてしまいそうで、……怖い。