獣★愛SS~最強ケダモノ男子の特別視線~







「雫ちゃん」




俺は雫ちゃんの肩を優しく掴む。





「今日から、ココを自分の家だと思っていいからね」





せめて、少女の辛い気持ちを減らしてあげたくて、少女に帰る場所を与えたくて、


……笑顔になってほしくて、俺は――。







「あ、ありがとう……」







雫ちゃんの声は、か細くて、今にも泣きそうなくらいで。


だけど、雫ちゃんの表情にあった苦しみが、少しだけ和らいだ気がした。





気のせいだったとしても

嬉しかったんだ。







その時の俺は、雫ちゃんのことなんて何も知らなかったけど


それでも思っていたんだ。




少女の幸せを、ただひたすらに。