そう不思議に思いながらも、ゆっくりと扉を開けて入る。 そこにいた人物に目を丸くした。 「………伊藤?」 そこにいたのは、音楽室の窓から外を眺めてる様子の伊藤の後ろ姿。 呼びかけたものの、伊藤からの返事はない。 人違い? いや、だとしても振り向くくらいはするはず。 じゃあ、聞こえてないのか? もう一度呼んでみるけど、やはり返事はなかった。