それからというもの。 俺の視線は、気付けば伊藤にある。 伊藤の好きな人を知ってから改めて見ると、伊藤は新道をよく見ていた。 うちのクラスの奴に用があってやってくる時や、新道が廊下を通る時。 見かける度に、伊藤は新道を見ているんだ。 …本当に好きなんだな。 そう思うたびにざわつく胸の音には気付かないふり。