これから、開発が始まるので、
運用されるのは、それからまだ、
何年も先だ。
たまたま手が空いていて、
この件を抱えられる余裕があるのは、
私しかいない。
選ばれた理由は、ただそれだけなんだけど、
由貴ちゃんからすると、
何でも私が都合よく、
取り上げてしまうように見えるのか…。
出来れば、
久俊のプロジェクト何かに入りたくない。
意見はぶつかるし、
仕事を離れても、顔を合わせるなんて…
仕事を離れても?
それが妥当だと思ってる?私。
思ってるのかな…
携帯がなってる…久俊さんかな
「もしもし?久俊さん?」
しばし、沈黙…
―誰だよ、それ
「あっ、ごめん、ナオだった?」
―嬉しそうに何だよ。
「嬉しいよ。ナオの電話も待ってたもん」
―何、そのついでみたいなの
「で?どうしたの」
―これから、帰る。今日は早く上がれるか?
「これから?なに言ってるのよ、急に」
―いいや。出て来るまで、ロビーて待ってる


