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結局、ナオは週末には戻れず、
休日を静かに送ることができた。

私は、いつものように香津美さんと
お弁当を食べていた。


「おかずが充実してるね」


香津美さんに、すぐに指摘される。

「ゆっくり台所に立てたの」


「一人暮らしのくせに、
そんなに忙しいのはなんで?」


香津美さんには、包み隠さず話す。


「昔からの友人から、
付き合おうって言われて、
前野さんには、
戻ったらやり直そうって言われてるの」


「おおっ、モテ期到来。
いいじゃないの、いいじゃないの。
で?どっちにするの?」

「香津美さん、
子供が、お菓子を選ぶんじゃないんだから、
物事はそんなに単純じゃないのよ」


「そうかな」

香津美さんは、
大きなおにぎりにパクついた。