「運用チームの恩田さん?
今日付けで、開発チームに
所属してもらいます。

当面は、私の補佐で。
当面、名古屋の件が終わるまで、
プロジェクトの掛け持ちなんて、
素晴らしい事になったから、
少しは、協力してくれるよね?

後任は、運用チームの森山さんに
お願いします」


「ちょっと、待って、聞いてない」
前野係長は、
私のことを無視して話を続けた。


一通り、顔合わせの会議を済ませると、久俊さんが、私の所までやって来た。


「春?このところ、
何度か連絡取ろうとしたんだけど…」


ナオのいうことを聞いて、
久俊さんにはメールでしか対応してなかった。
これからは、仕事に差し支える。


「ごめんなさい…」


電話も、メールもくれてたのに、
ナオに止められたせいで、久俊さんと、
話す事が出来なかった。


「この事も、相談しようと思ってたのに。
連絡取れないから、勝手に決めちゃった。
いいよね?
大丈夫、心配するなって、
俺ついてるし。
多少のブランクなんか、
すぐに思い出すよ」


隣で、前野係長に由貴ちゃんが、
目配せしている。


「由貴ちゃん、知ってたの?」


「ええ…だって、私が頼んだんですから」


「頼んだ?私の後任になりたいって?」


「大丈夫です。
前野係長が補佐してくれるし、
私、前野係長と一緒なら、何でもやります」


「そう…」


「私にだって、出来るわ」