「ちょっと待てよ、今のは、
拒否したんじゃない。
反射的に手が出ただけだ」


春がおびえてる。
「でも、もう今みたいにしないで」


「わかった。気をつけるから、
なぜだか話して」
俺は、春の体を抱きしめた。



「言いたくない」


「それ、俺がしたことだよね」

春は頷く。


「じゃ、ちゃんと言ってくれないと
わからないよ」


「ん…」


「俺こそ、ごめん。
乱暴だった。謝るから。でも、
あいつには、もう会って欲しくない。
口も利いて欲しくない。不安なんだ。
みっともないってわかってるけど、
こういう気持ちは抑えられない」


春に優しくキスして、
すぐにでも、
乱暴に奪いたくなる衝動を抑えた。


春には、自分がおかしくなるような
欲望が湧わいてくる。

たとえ、相手が俺の欲望を、
受け付ける余裕何か無くても…

独り占めして、誰にも見せたくないのと
春を知ってるやつみんなに、
俺のものだから、
手を出すなと言いたいこと。


けど、
それによって、春を失うのは耐えられない。


「拒否したってどういうこと?」

これ以上ない、
というくらい優しくキスをする。



キスが欲望に火をつける。
春は嫌がらなかった。


愛してるって、わからせたいんだ。
君を傷つけたいんじゃなく。

春を抱いた。
できるだけ優しく。


気づいたら、
愛してると口にしていた。
なんて心地よい響き。
何度も、何度も、耳元で伝えてあげる。

春がちゃんと、受け取ってくれるまで。

春、無しではいられない。
1分たりとも。


春の中に欲望を開放した。


少しでも、表情を見逃さないように
春の顔を見つめる。


ちゃんと伝わったかな。



こんなに君が、
俺のこと温かくしてるってこと。