食事を終え、お昼の一段落した時間だった。


私は、ナオの祖父に案内され、
ナオの部屋に入った。


ベッドにテーブル、
本棚にキャビネット、
大学生の男の子らしい部屋だと思った。


私は、部屋の中を、きょろきょろ見るのは、
はしたないと思って、視線を、いろんなところに
向けるのを止めた。


「春妃さんは、直哉の友達か?」



「はい。最近は、
友達といえると思います」



「そうか。
時々、期待に添えないときもあるのかな?」


老人は、人の良さそうな顔で笑った。


「そんな。とんでもない」


「あの子は、いい子だろう?」


「はい」


いきなり、電話番号を聞いたと思ったら、
君のじゃないっていう、

不躾なところはあるけど、多分、
私に興味はないってだけで、

頭の中で、損得を計算して動くタイプでも、
人を使わなければ、
損だと思ってるタイプでもないと思った。