「誰だってそうよ。
何もナオが特別なわけじゃない」


「うん」


でも…やっぱりナオは他の人と違う。


私が、適当に答えてたのを、
朱音は気づいてた。


「そうじゃない?
ナオは他の人とは違うか」


「うん、
他の人が触れるのとは、全然違うし…
ナオは大切な人…」


ナオから離れて、普通に暮らして行ける
のかわからないほど、特別だ。


「だから、恋愛したくないのね」


「うん…」


「ナオとぶつかるのを避けたら、
上手くいく?」


私は、首を横に振った。
「友達という立場では、付き合えないって…」


朱音は、笑った。
「それは、無理よ。
今にも飛びかかろうとするくらいの目で、
あなたのこと見てるもの」


「私…わからない。どうして、
ナオが私がいいって選んでくれるのか」

朱音は、ため息をついた。
「ほんとそうね。学生時代のように、
春のこと意識なんかしないで、
放っておいてくれればよかったのに…」


「朱音、どういう意味?」


「ナオが余計なことに気づかなきゃ、
私は、あなたともっと楽しめたわ」


「ナオと付き合っても、
朱音とは今までと同じだよ」


「ええ、春妃。
嬉しいな。好きよ。本当に」