「可愛いもんね」



伊藤君、なにするの?


もしかして私…………。


瞬間、上履きが伊藤君の顔に当たった。



「ってぇ!!」



伊藤君が悲痛な声を出し、地面に尻餅をついた。



「悪りぃ悪りぃ。俺のものに虫がたかってたもんでね」



そう手をヒラヒラさせながら登場したのは、さっきの伊藤君のような王子様とはまた違う、私のヒーロー。


翼だった。



「春川……!」


「どーも、第2の王子様♪」