もう六時だ。 わたる君が、会計のカウンターを出て、裏のドアを開けた。 多分あの部屋が、事務所とか更衣室なんだろうな。 しばらく待つけど、出て来ない…。 ???…もしかしたら? 裏口あり? あたし、バカだ。普通従業員の出入り口とかあるよね。 慌てて一番近い出口から外へ出てみた。 横に小さな従業員用のドアがあった。 …もう、帰っちゃったよね。 あきらめて、帰ろうと振り向いたら…。 「…わたる君?」 見覚えのある後ろ姿が目に止まった。