ぎゃあぎゃあ言っているうちに葵の目的地にたどり着いた。 いい匂いのするパン屋さんだった。 …かわいらしい雰囲気の店だから、男一人じゃ入りにくかったんだろうなぁ…。 ぷぷぷ。 「何ニヤニヤしてんの皐月ちゃん」 「ちゃん付け…きもい!」 「さっきからきもいきもいって失礼な女だなぁー全く」 ぼりぼりと頭をかきながら店に入る私たちは何かカップルのようだなぁ、と思った。 まあ葵は幼なじみだからそんなんじゃないけど。 店員さんは葵を見て目がハートになってる。 …おーい私いますよー!