最後の試合。 相手は全国大会出場校のエースだった。 自分ができることをやった。 だれも見てくれていなかった。 相手にはたくさんの応援がいた。 私の応援はだれもいなかった。 いいんだ。 ひとりでも勝ってやる。 今までもそうやってきたじゃないか。 「すぐ女は涙に逃げる。」 「負けて泣くのはみっともない。」 そうずっと顧問に言われてきた。 最後の試合。 フルセットで負けた。 このときばかりは 涙が出た。