先生とこうやって放課後を過ごす様になってから

もうすぐで1年経つと思う。

だってその時も、

制服のワイシャツが半袖だったから。




うちの学校は大学付属の私立で

どこもかしこもクーラーが付いていて、

校舎の中は

春も夏も秋も冬も

ある一定の気温だ。




それが悪いことだとかは思ったことないけど、


あの日も私は熱を帯びた

外の空気を触りたくて

私は教室の窓際で1人

グランドに面している窓ガラスを触っていた。



この教室の向こうでは

日に焼けた野球部員が砂みたいな土に紛れながら

白い球を追いかけては

取っては1塁に投げていた。



空を見上げると

放課後になりかけた空はまだ青くて

本当に雲が1つもなかった。




「まだ帰ってなかったのか。もうこんな時間だぞ」



振り向くと、

当時担任だった数学の桜井先生が

教室の入り口に立っていた。




「もう、帰りますけど」


私はなんだかバツが悪くて窓際から移動して、

自分の鞄を取りに席に向かうけど






「先生」



「ん?」



「私なんだか疲れちゃいました」



くたびれた白衣を羽織っている先生に

何でこんなことを言ったのか

今でも分からない。

だけど、その時の私は

色々な事に

本当に疲れていたの。