紫鏡が目の前にある。 手鏡だが、間違いない。 二十歳までに忘れなきゃいけない言葉なのに、紫鏡が実際ここにあるのはどう言う事だ。 いや、待てよ。 私がそれは紫鏡だと認識しているだけで、本当は何でもないただの鏡なのかも知れない。 どれ、手にとって覗いてみようか・・・。 あれ、 何だこれ・・・。 なにも写らない。 あれ、入る・・・。 手が丁度入る。 あっ!なんか引っ張られる・・・。 すごく冷たい手が引っ張ってくる・・・。 うわっ、怖い・・・。怖いよ・・・。 ぎゃああっ!! コトン。