「切り替え切り替え!」
今日の俺、マジなんなんだよ。
果歩に対して変だった…。
「空、どうした」
青先輩はいつも俺を気にかけてくれた。
「いや」
「んー、でも全然シュート入らないしらしくないよ」
「…そんなこと無いですよ。俺だって入らない時くらいあります」
「そうかな?」
最近自分でもシュート率が減ったのは分かってた。
切り替えないといけないのに果歩のことが頭から離れない。
花火大会まで後2日。
果歩のやつ、本当に佐々木と行くのかよ。
花火大会なんて人多いし苦手だけど、他の男と行くくらいなら、それぶっ潰して俺が行きたい。
「果歩ちゃん」
「ぶっ!!」
いきなり果歩の名前が出て吹き出してしまった。
「あ、当たった?」
青先輩はからかうように言った。
「本当に好きなんだね。裏では」
「裏ではって…」
「空さ、あの子にちゃんと言った?」
「…なにをですか」
だいたい分かってる。
「停学になった理由」
「…」
「言わなくていいの?」
「…あいつ、どう思うか分かんないですから…」
「…じゃあこのまま言わない?」
「…だけどあいつ佐々木に花火大会誘われてんですよ。行くかもしれない…そんな俺がその佐々木を殴ったなんか言ったら…」
…俺を嫌いになる。
「そうかもしれないけど、あの子だって本当は知りたがってるんじゃないの?」
「ですかね…」
「今まで一緒だったんなら、あの子が一番空の事を知りたがってるんじゃない?」
「…」
「きっと、受け入れてくれるよ」
「…」
「それにさ?もたもたしてると他の男に取られちゃうよ?」
「…。そういう青先輩はどうなんすか」
相葉といい感じなんだろ。
「俺は花火大会でコクるつもりだけど」
「そうすか」
「空は?」
「俺?俺は…遠慮します…」
「またまた。もう心は決まってるんじゃないの?」
「そうかも知れないけど、なんかそういうの、俺らしくないですから…」
「…ま、無理はしないことだね。それに空だって、いつかは伝える暇すら無くなっちゃうかもね?」
と、意味が分からないことを言う青先輩だった。

