「そういや俺、果歩に言ってない事あったわ」
「なに?」
「サッカー部のキャプテン、俺がなる事になった」
「えっ、えー!」
「は?そんなに驚く事かよ」
「あ、いや…」
でも空、サッカーうまいしな。
だって、みんなサッカー部の中では一番だって言うんだもん。
それに初めからサッカー部のキャプテンは空だって噂なんかあったらしいし。
「で、今度試合あるんだけどさ」
「試合?」
「そ。見に来てよ」
「えっ!!いいのっ!?」
「おぅ」
個人的にサッカーが好きな私。
だけど何より嬉しいのは、空が出ている試合を見れるということ。
空がキャプテンになった姿を一番近くで見られる、日常では見られないような空が見られるんだ。
すると空が
「果歩マネージャーなれば?」
と、いきなり予想もつかないことを言ってきた。
「はっ!?」
いやいやいやいや!
てかサラッと言いますかそこ。
「いいじゃん」
「無理無理無理無理。今更」
「ふーん」
いや、ならないから!
「それにもうマネージャーいるでしょ?」
あんなに可愛いさ。
「俺はお前がいいの」
「な、なにそれ」
私がいいなんか…。
「別に強制とは言わねーけど」
「なれないし」
「じゃあいい」
そりゃ私だって一番空の近くでサッカー見たいよ?
誰よりも近くで見たいって思うもん。
だけど私以外に近くで見てくれてる人、もういるじゃん。