「こらっ騒がないの!……あら、騒いでしまって、すみません」
その子供の母親らしき女性が子供に注意したあと、俺らに気づいて申し訳なさそうに会釈した。
「気にしないでください」
と俺が母親に言うと、
「これは、エスカレーターじゃなくてエレベーターだよ!」
と麻琴ちゃんが子供の目線になるべくしゃがんで子供に向かって言った。
「そうだったっけ?お母さん!」
「そうよ、これはエレベーター。エスカレーターは動く階段よ」
“お母さん”と呼ばれた女性は子供に向かって優しく微笑んだ。
「僕、エレベーターもエスカレーターも大好きだよ!!」
突如、告白を始める男の子。
小学校1、2年生くらいなのだろうか、背中にランドセルを背負っている。

