忍くんを見てテンションが上がった私は、 忍くんとの距離を縮めようとすこし足早に歩く。 いい距離になって声をかけようとした。 「忍くー………」 「秋原くん!!」 私の声は忍くんを呼ぶ誰かの声で遮られた。 「おはよう、秋原くん」 「おはよ、藤本」 ………………沙……耶…香……………………………? ━━━なんで? 沙耶香は、私が忍くんのこと好きって知ってるはず。 今までだって、私に協力してくれてた。 自分から忍くんに話しかけに行くなんてこと、なかったじゃん。