尚斗の怒鳴り声に体が怯む。 こんな尚斗、初めて見た……。 「俺の好きな子を否定するやつは、たとえ麻琴ちゃんでも許せない」 尚斗……。 「………でも、私、最低だよ……」 「最低じゃない」 「何でそんなこと……」 「何でって……当たり前じゃん。最低なやつはあーゆーこと平気な顔して言う。もちろんそのあとも平然としてる。でも……」 さっきまでのこわばった顔が崩れる。