「そうよ!私は小さい時からあなたが欲しがった私のもの、 全部譲ってきたわ!でも、私も忍くんが好き! 今までは全部あげてきたけど……」 嫌だ、ここから先、聞きたくない━━━━━━ 「忍くんだけは、あげないから」 とても沙耶香とは思えないほどの目で私を睨みつける。 そう言い捨てると、沙耶香は校内へ入っていった。 ━━━━━キーンコーン……キーンコーン……… HRの始まるチャイムが聞こえる。 私はそこで立ち尽くすことしかできない。