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尚斗に励ましてもらった翌朝、マンションを出る前に鏡と向き合う。
鏡には珍しくキリッとした顔の私が映る。
…………今日は、沙耶香に話しかける日だ。
なぜ、忍くんの隣にいたのか。
私の気持ち、知ってるはずなのに。
喧嘩した嫌がらせ?
私に恨みでもあるの?
━━━━とにかく、ちゃんと面と向かって沙耶香と話そう。
「じゃあお母さん、行ってくるね!」
「はーい、行ってらっしゃいー」
部屋の奥からお母さんの声がする。
私はいつもより張り切って玄関のドアを開けた。

