そうこうしているうちに、いつの間にかマンションの前。 「麻琴ちゃん、このマンション?」 「………尚斗は?」 「…………俺は、ここ」 「………私も」 一緒に同じマンションに入る。 同じマンションってことは、ご近所さんってこと。 初恋相手がご近所さんとか、ちょっと運命っぽい。 …………なんて、私らしくないかも。 でも、あの時の人が今私の隣にいるなんて━━。 やっぱりちょっと信じられない。 こんなうれしい話、あり得ないよ。 そんなふうに思ってしまう。