「とりあえず狭い路地に入って、 なんか言ってその男達追い返したんだよ」 「………」 もう私には相づちを打つ余裕もない。 私は今、話に夢中。 「とりあえず助けた女の子が可愛くて心配で、 その子の家まで送ってあげたんだよね」 「………」 「そしたらその子、笑顔でこう言ったんだ」 ━━━━“ありがとう” 「その笑顔と声に一目惚れしちゃって、 その子の持ってたカバンに書いてあった名前、覚えたんだ」 「……」 「その名前が、杉沢麻琴、君だよ」