桜が満開のこの季節


真新しい制服に身を包んでウキウキしながら電車に揺られていたけれど。



本当にいるんだ、痴漢って。



私、村田未優の足をさわさわと厭らしく動き回る手


初めは偶然当たっているのかと思っていたけどこれはその域を越えている。



「………やめてください」



振り返らず言うが後ろから下品な笑い声が小さくあがっただけで手は一向にとまる気配がない。


人が下手にでて優しく忠告してやったというのに


あまりの愚かさにため息をこぼしながら未だにまさぐるその手をおもむろに掴んだ。