「……不思議な女。

先程まで小動物のように俺に怯えていたのに

俺を気遣っているのか?」


「…私は、あなたを信じてみたいんです。

目の前にいるあなたは、少なくとも、

私にやさしくしてくれたから。」


冷たい、氷のような彼の瞳に、

なんだか温かい光が宿った。


「…ああ、そうか。」



レオンさんが指をパチンとならすと、

部屋の電気が消えた。