玄関へ向かって行く彼に あたしは見ていて苦しくなった 行かないで お願い 傍に居てよ そんな気持ちが 心の中で激しく渦巻く 台風のように 激しく 激しく だけど何も言えない 何も言えないあたしがもどかしい 心の中では叫んでいるのに 心の中では泣いているのに 何も言えないあたしが 憎い 何も言えないまま 彼の背中を見ていると ふと彼が止まった そして 糸の切れたマリオネットや 電源の切れたロボットのように 彼は膝から崩れ落ちた