「え、何でいるの?」 「どうせ暇でしょ」 「暇っちゃ暇だけど……え?」 今の状況を飲み込めない。 だって、なぜか私の目の前には永瀬くんがいるから。 今日は文化祭の振り替えで休み。 の、はずなのに永瀬くんが今目の前にいる。 「先輩が僕に会いたいかなって思って来てあげた」 確かに会いたいとは思うけど、会いたくもなかったよ。 だってこうやって顔を合わせたら。 「先輩?」 永瀬くんの唇ばかりを見てしまう。