そう思った瑠菜は即座に腹筋を使って体を起き上がらせた。
野次馬(ギャラリー)達の視線が一斉に瑠菜に向いたが、当の本人は我関せずといった態度をそのまま崩すこと無く涼しい顔で受け流し、先程瑠菜と勝負をした、壁にもたれ掛かっている男子生徒を見つけると、真っ直ぐにそちらへと向かう。
「大丈夫ですか?えぇっと……遠藤さん?」
「……」
男子生徒……もとい遠藤は、瑠菜が話しかけても聞いているはずなのに何も言わない。
その態度が癇(かん)に障ったのか、瑠菜のこめかみに青筋が浮く。どうやら彼女は、可愛らしい見た目に反してわりと短気なようだ。



