そして、最後の一欠片が辺り一体に広がる闇に吸い込まれた時静寂が二人を包んだ。しかし、それは一呼吸の間の話。
ひゅぅとどこからか風の音がする。瑠菜は、こなれた様子で下を見るといつの間にできたのだろうか。大きな風の渦が二人の数十メートル下の足元にできていた。
「……」
風の音が変わる。遠目に見ても明らかに先程よりも速くなっているのが分かるだろう。
瑠菜は、対戦をしていた男子生徒に目を向ける。男子生徒の体は、掃除機に吸われるゴミのように徐々に渦に吸い込まれていき、渦の端に体が少し触れた瞬間。一気に渦の中へと消えて行った。
次は、自分。そう考えたとほぼ同時に瑠菜の体に逃げ出すことなど不可能だと思わせるには、十分な程の圧力がかかった。



