だけど、目の前に立っている空君への恐怖心はもう少しも感じなかった。


それよりも、同じ趣味を持っている人間がいると言う事が、嬉しくてたまらない。


同じ世界の人間なら、きっと空君ももうわかっているだろう。


自分たちが何を求め、何で満足できるのかを。


空君は大笑いするあたしの体を強く抱きしめ、そして耳元で囁いた。


「ねぇ侑里ちゃん。君を動物のように切り裂きたい」


「あたしも同じ気持ち」


そう答えると同時に背中に鋭い痛みが走った。


それは一度ではなく、何度も何度も訪れる。


痛みに耐えながらあたしは笑った。


「ねぇ、今度はあたしの番」