「前回のギフト、最後のメモには【組み立てろ】って書いてあったんだろ?」


「うん、そうだよ」


「だけどそれをどこかへ送り返すとか、どこかに飾るとか、そんな指示は一切なかったわけだろ?」


「うん、なかった」


あたしは翔真の質問に素直に答えていく。


「つまり、それって出来上がっていたとしても人目に触れることはなかったわけだよな」


「そうなるよね。できあがったウサギはそのまま箱に入れて片づけられるかもしれないし、捨てられるかもしれない」


【組み立てろ】以外の指示はなかったのだから、その後ギフトをどうするかはこっちの判断に任せられているのだろう。


「ってことは。犯人はこの家の中にいて君の行動を見ているって可能性が出てくる」


「……は?」


犯人はこの家の中にいる?


あたしは翔真の言葉に目をパチクリさせた。


「君はギフトを完成できなかった。犯人はそれを見ていた。だから君は階段から突き落とされたんだ」


翔真の推理に、あたしは口をパクパクさせて徐々に自分の顔が青ざめていくのがわかった。