裏ギフト

あたしは歩き出しながら「ダメに決まってるでしょ」と、返事をした。


「どうして?」


「あんた、男なのよ?」


付いてくる翔真をチラリと見て言う。


するご翔真はキョトンとした顔を浮かべた後、声を上げて笑いだしたのだ。


おかしそうに体をまげて大笑いしている。


「な、なにがおかしいのよ!」


あまりに豪快な笑い方にあたしは思わず赤面して立ち止まってしまった。


「だってさ……僕が君に興味があるとでも思った?」


笑いすぎて目に涙を浮かべ、翔真がそう言う。


翔真があたしに興味がないのは百も承知だ。


それでも年ごとの男女が一つ屋根の下に泊まるというのは、一線を越える危険性だってあると思うんだ。


それなのに、翔真はその考えを爆笑という形でかき消してしまった。


それは女のあたしからすれば少し不愉快な事で、まだ笑い転げている翔真をほっといて歩き出した。