裏ギフト

ここまで堂々と大きな声でギフトの事を言われたら、送り主は人と違った反応を見せるんじゃないか。


そう思ったのだ。


だけど、無視されることに全く動じないあたしが急にどなり始めるのはおかしい。


だから、イジメをわざとエスカレートさせたのだ。


「まだ変な荷物が届いてるんだ?」


ギフトの事にいち早く反応したのは初だった。


「荷物ってなんのこと?」


クラスメイトが興味を持って初に聞いている。


「侑里は結構前から誰かにイヤガラセされてるんだよ。ポストに変な物入れられてるんだって」


大きな声で初がそう言うと、クラスメイトたちはざわめき始めた。


それはあたしを非難する言葉ばかりで、あたしを心配するような発言は1つとしてなかった。


あたしはニヤニヤと笑うクラスメイトたちの口元を見る。


違う。


お前も違う。


お前も……。


グルリと全員ぶん見回してみたけれど、どれを見てもビリビリと痺れるような感覚は訪れてくれなかった。


送り主はクラスにはいないのかもしれない……。


あたしはガックリと肩を落とす。