裏ギフト

☆☆☆

あたしの演技を真に受けたクラスメイトたちは、放課後までに様々なイジメを仕掛けて来た。


足を引っ掛けて転ばせたり、机の中にゴミを突っ込んだり。


弱い者が弱い態度を見せると、急に付け上がり始める。


1人じゃないということがみんなの気を強くさせているのだ。


集団だと感覚はどんどん鈍くなって行く。


授業中でも休み中でも、あたしへの罵倒は容赦なく飛んでくる。


朝は大したことのない状態だったのに、あっという間に悪化していくイジメに担任教師は唖然としていた。


担任教師はあたしの机に書かれた文字を見て見ぬふりをして、ホームルームを始める。


これが終われば今日は解放される。


そんな雰囲気で、ホームルームは速足に進んで行く。


「じゃ、今日はここまで。みんな気を付けて帰るように」


担任教師がそう言い、逃げるように教室を出て行った。