裏ギフト

今はそれが、結香イジメと直結しているのだ。


「それは、昼間ゆっくり話さない?」


つぐみが周囲を気にしてそう言う。


「そうだね。それがいいよ」


あたしは頷く。


初は少し不満そうにしているが、確かに教室じゃまずいと思ったのか大人しくなった。


初がアクセルでつぐみがブレーキ、そしてあたしは2人を操る車掌。


そんな役割ができつつある。


あたしは小さな鏡を取り出して自分の顔をうつした。


自然と笑っていたようで、口角はあがり、血色もいいように見える。


その後ろに結香が写っているのがみえた。


結香はうつむいたまま、文庫本も広げずにジッと机を見つめている。


下駄箱に虫を入れた時もそうだったけれど、結香は本当に打たれ弱いようだ。