そして1時間30分後、茶道部の扉が開いた。


「あら、零くんじゃない。」

そう言うのは、この学校の生徒会長を勤め、茶道部のキャプテンをしている三年の藤宮桜花だった。

雰囲気から育ちの良さが滲み出ており、時折見せる冷たい視線が怖い。

家が金持ちなので裏の人間との繋がりがあるかも知れない為、零はこの人を待っていた。



「桜花さん、ちょっと裏で暗躍している連中を紹介してくれませんか?」


唐突に言う零。最初は何を言っているか理解できなかった桜花だが、しばらくして理解した。


「それってもしかして面白いネタを仕入れたのかしら?」


「そうだ。でも俺一人じゃあどうすれば良いか分からねぇ。だからアンタの力を借りたい。」


零がお願いすると桜花は鞄の中から住所の書いてあるメモを零に渡した。

「じゃあ零くん、今からこの場所に行って。きっとあなたの力になる信用できる人だから。」


零は渡されたメモを見ると意外と学校の近くであった事が分かる。


「ありがとう桜花さん。今から行ってくる。」