図書室で零と飛鳥は学校についての資料を広げて部費の交渉材料を探す。


「俺に部費を増やせと言ったんだ。桜花先輩も1度くらい部費の交渉したんだよな?」


零は資料を読みながら隣に座っている飛鳥に言う。

「なんか去年、部費交渉したけど全く相手にされなかったらしいよ。」



基本的に学校から各部に割り当てられる部費は金額は強い部…つまり全国大会に出て知名度がある部活ほど多い。



零達が通う村沢高校では野球・剣道部・弓道部・吹奏楽部が全国での知名度が高い。

特に野球部は5年前に急激に強くなり、それ以来毎年プロを輩出している強豪。


それだけプロを輩出していたら寄付金もかなり貰えるはず。


だったらそれを部内で上手く使い、学校から支給される部費の額を減らして他の部に回すべきだ…と言うのが零の考えだ。


他にも剣道部・弓道部は毎年全国大会で上位に出ており、卒業生はその道の指導者となり、活躍している人が多い。


そして剣道部・弓道部は野球部より歴史が古いため卒業生が多い。つまりOBが沢山いる為、トンでもない額の寄付金が手に入る。



「これはアレだよ。有力な政治家が賄賂を貰って金を貯めている様な物だ。その癖、しっかり支給される金は貰うという…。」



そして大体の資料を見た零は帰る準備をする。


「まぁ資料を見て、交渉に有利な情報がそこそこあったな。部費交渉の日は全部活の代表者が来るのか?」



「全部活強制参加らしいですよ。」


それを聞いた零は「良しっ!」と言い喜ぶ。



「他の部の人間がいるんなら、会議で味方に付ける交渉術を使うだけだな。まぁ俺に任しとけっ。」