初恋マネジメント






「……でも最近そろそろ鬱陶しくてさあ。別れ時かなとも思ってんの。……そうそう。ウザくって。つまんない男だよ」




あたしの悪口じゃないのに。


鈍器で頭を殴られたようにショックだった。



喉が渇いて、膝を抱えたままの姿勢で足が震える。


悲しくてか、怒りでか。その両方であることは明白だった。



だけど今すぐ出て行って彼女の頬を引っ叩いてやる気にはなれずに、そのまま流れ出てくる優花ちゃんの声を聞き流していた。



しばらくはそうしていたけれど、数分経った後に三橋くんのことを不意に思い出す。



……ああ、いつまでもここで呆然としているわけにはいかないんだった。


戻らなくちゃ。


優花ちゃんに見つかるのも嫌だから、とりあえずお店を出たい。



頭が混乱している。気持ちが付いていかない。



このことを健太に言った方がいいのだろうか?


絶対ショックを受ける。傷つけてしまう。


そうだ、三橋くんにも。



と、一歩身を引いた時、肩にとんっと何かが当たった。