【彼女saide】
幼馴染でもあり、私の恋人でもあった彼が死んでから五年。
私は今、もう一人の幼馴染、翔と同じ道を歩んでいる。
彼、勇人がいなくなってから私はずっと1人で塞ぎ込んでいた。
でも、いつも翔が私の傍にいてくれた。
1人にならないように…。
二年前翔に告白されて付き合い始め、去年結婚した。
勇人は彼と結婚したことを許してくれるだろうか…?
喜んでくれてたら1番嬉しい。
「ねぇ、このゴミ捨てに行っていい?」
「あ、うん!」
大量のゴミとガラクタを担いで玄関から出て行く翔。
私のお腹の中に、新たな小さな命が宿っている。
そのため翔は、
「子供の為にも、こんな狭いアパートじゃなくて、もっと大きい一軒家に住もう!」
ということで、今日ようやく引っ越しする事になった。
朝から家中のモノを片付けている。
と言っても、ホント狭いとこだから昼には終わるだろう。
「気をつけてね〜」
外に出た翔を窓から見送る。
「さて、私もまだまだがんばらないとっ!」
自分にカツを入れてから作業を再開させる。
「ん?」
戸棚の中を片付けていると、中から古臭い箱が出てきた。
「何、これ?」
私は見覚えがない。
といことは、彼のだろうか?
そっとフタを開けて見る。
すると中には、一冊の大学ノートが入っていた。


