コンビニで水とサンドウィッチを手に持ってレジに並ぶ。
私の番が来て、商品を置くと、男性店員さんがゴホゴホと咳をした。
「すいません」
一言謝ってレジを打っていく。
「345円になります」
「はい」
私はちょうど345円を出して品が入った袋を受け取る。
「………」
そのまま立ち去ろうとした足を止め、私はポケットから小さな瓶を取り出した。
「あの、これどうぞ」
少し白い粒が入った瓶を店員さんに差し出す。
店員さんは「え?」と気の抜けたような声を出してキョトンとしていた。
「カゼ薬です。
よかったら使ってください」
そう言って私はコンビニから出た。
後ろから「ありがとうございます!」という店員さんの声を聞きながら。
ふふふ、これであの人は一生私の事を忘れない。
例え恨まれたとしても、それがあなたなら受けとめられる。
さぁ、早く私の元に来て………。