ベタな展開には裏がある



次の日。


いつものように起きて占いを確認した後、昨日より少し早めにすぐに家を出た。


ここで待っていれば彼女に会えるだろうか?


昨日ぶつかったあの角で少し待ってみる。


キョロキョロと周りを見ていると、昨日会ったあの人が、こっちに向かって歩いて来ているのが見えた。


「あっ!」


俺は声を上げて彼女に近寄った。


すると彼女も俺のことを覚えていたらしく、


「あ、昨日の…」


と笑顔で笑ってくれた。


ドキッと心臓が跳ねるのを感じながら、昨日落としたであろうハンカチを彼女に見せる。


「これ、キミの?」


「え…あっ!
昨日無くしたと思ってたハンカチ!
もしかして拾ってくれてたんですか!?」


「うん、キミが行った後このハンカチを見つけたんだ。
もしかしたらって思ってたんだけど、当たっててよかったよ」


ハンカチを彼女に手渡すと、すごく喜んでいた。


「ありがとうございます!
これ気にってたから見つからなかった時すごくショックだったんです。
本当にありがとうございます!」


「どういたしまして」


喜んでるみたいだし、拾ってよかった。


俺は満足して別れようとした時、彼女に呼び止められた。


「あの、お礼がしたいので今日の夜ご飯でもどうですか?」


人生初の女性からのお誘いに、一瞬頭が真っ白になったものの、


「喜んで!」


すぐに返事を返した。


彼女から指定されたお店の名前と、連絡先が書かれた紙を渡される。


「では7時にこの場所でよろしくお願いします。
じゃあまた後で会いましょう」


手を振って彼女と別れた後、俺はダッシュで仕事場に向かい、今日のノルマを早々と済ませたのだった。