恐る恐ると次のページをめくってみる。


でも、真っ白だった。


日記はこれで終わりなのだろうか?


パラパラとめくっていく。


それにしても…。


この日記を見る限り、勇人は自殺なんかじゃない。


彼が落として殺したんだ。


私は…人殺しと一緒の道を歩んでしまったんだ。


そして私のお腹には人殺しの彼との子供が宿っている。


もちろん子供に罪はないから降ろしたりなんてしない。


でも、このまま彼と一緒にいたら私もこの子もいつか殺されるんじゃないだろうか…?


そんな恐怖が身体中を巡って行く。


そしてあるページをめくった時。


「ヒッ!?」


小さく悲鳴を上げ、ノートを放り出す。


ノートには両方のページいっぱいに


「好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ。
僕だけのモノだ。誰にもやらない!!
ずっと一緒にいよう。一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に一緒にいよう。
離さない離さない離さない離さない離さない離さない離さない離さない離さない離さない離さない。
愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる」


ページ全体が文字で真っ黒になるまで書かれていた。


じわりと涙が滲んでくる。


恐い…。


逃げたい。


イヤだイヤだイヤだイヤだ!!


恐い恐い恐い恐い恐い恐い!!


そうだ、今彼はいないんだ。


逃げるなら今の内しかない。


百年の恋も覚める勢いで、私は彼に対して恐怖心しか残っていなかった。


今の内に…。
































「ねぇ、何見てるの?」































ビクッと体が揺れる。


ゆっくりと首だけ後ろに向けて見ると、


























にんまりと笑った”彼”がすぐ後ろに立っていた。
























END