ベタな展開には裏がある



七月十五日


勇人を屋上に呼んだ。


彼は嬉しそうに笑ってた。


僕も笑顔を崩さなかった。


内心では凄く憎かったけど…。


彼女は誰にも渡さない。


だから僕は彼の背中を押してあげた。


両手で、天国へと続く道に。


五時間目くらいに外が騒がしくなった。


きっと勇人が見つかったんだ。


頭から落ちたし、下はコンクリート。


即死だろうと思ってる。


確認しに行くことはしなかった。


だからもし生きてたらどうしようと緊張が解けないまま、授業は終わって放課後になった。


クラスの男子が、勇人が落ちたと言う。


僕は急いで職員室に向かった。


僕が落としたとバレてないか一応確認しに。


死んだということはあの男子が言ってたけど、これも一応確認しとかないと。


職員室の扉を開いて、担任の先生がちょうどすぐそばにいたから詰め寄って聞く。


疑われないように、焦るフリをして。


我ながらうまいんじゃないかと思う。



先生は黙ってしまった。


すぐに体育の尾崎が先生の肩を掴んで大声でしゃべる。


いつも思うけど、声デカイんだよ。


トーン下げろ。


耳がキンっとするのを我慢していると、後ろから先生と呼び声が聞こえた。