どのくらい寝たのか、目を開けた途端、胃から何か込み上げてきた。
「ぉえっ!」
私は横を向いたまま、布団の上に戻してしまった。
「うっ」
と、また込み上げてくる。
まさに食べたご飯がそのまま出てきた。
「ガボッ」
と、今度は汁物。
全く吸収されずに液体が勢いよく流れる。
もうないはずなのに、胃が絞り取られるように何か出てくる。
酸っぱい。きっと胃酸だ。
「はぁはぁはぁ」
苦しい。それに疲れた。体も痛い。
ナースコールを押して、看護師さんを呼んだ。
すぐに看護師さんが飛んできて、掃除の人と片付けてくれた。
私はごめんなさいを何度も言う。
看護師さんも掃除の人も、気にしなくていい、と笑顔で言ってくれる。
それがまた申し訳なくて涙が出てきた。
自分のせいで、たくさんの人に迷惑をかけてしまった。
看護師さんは、しきりにどうしたのか尋ねてきたど、私は言わない。
いろんなことが込み上げてきた。
大学休んで入院してること。
発作が出たこと。
事故で体中が痛むこと。
吸入で怒られたこと。
そして吐いたこと。
全てが私を追い込んだ。
「ひっ、ひっ、ひっ」
泣いていると呼吸がうまくできなくなった。
看護師さんがそばで落ち着くように指示してくれる。
「フーフー」
と自分で息を整えて落ち着くことができた。



