「かなちゃん、どう?食べてる?」
なんていいながら、私に近づく。
私はチラッと先生を見上げて、
「こ、これから、た、食べますっ!」
と言う。進藤先生は疑わしい目を向けて、
「ん〜?本当?
じゃあ、これからどのくらい食べれるか見てようかなぁ。」
といたずらな目をしていってきた。
無理無理、本当に食欲湧かないんだって〜。
と思いながらも、渋々箸を持つ。
箸を持ったものの、これからどうしようか、、、
口に勢いよくご飯を入れてみる。
う〜、噛む気にもなれない。
進藤先生は、私がずっと口の中をモゴモゴしている様子をじっと見ている。
食べづらい。
「なかなか進まないね。」
さらっと厳しいことをいう。
なかなか口の中ご飯を飲み込めない。
ゴクッ
なんとか飲み込むことができた。
でも、二口目が進まない。
「ちゃんと食べないと、治るものも治らないよ。
手術はおろか、投薬治療にも耐えれないよ。」
そんなこと言わないでよ。
いつも厳しいこと言わない進藤先生が、今日は厳しく指摘してくる。
そんな厳しく言われると、何だか鼻の奥がツーンっとしてきて、目頭が熱くなってきた。
そんな冷たいこと言わないでよ。
次第に涙がポロポロと頬を伝う。
そして進藤先生が立ち上がり、
「ちゃんと食べるんだよ。」
と言い、部屋から出て行った。
優しい言葉を掛けてもらえず、私は悲しみでいっぱいだった。
日本に戻ってきたのに、私は一人ぼっち。
無性に、幸治さん会いたくなった。
けども会えない。
もっと私も、アメリカにいたかった。
それから二口目は食べることができず、私はまだ明るいけど、布団に潜って寝た。



