横では白ワインをグラスに注ぎ足しながら、上司のセンスの悪さやワインのまずさをなじっている。 そうかと思えば今度は自分の店舗の売り上げを自慢しはじめる。 酔ったメイコは実に冗舌だ。 普段からよくしゃべるから あまり変わる気もしないのだが。 目の周りをほんのり赤くさせて いつもより 優しくなるような気もする。 少し冷たい喋り方が 酒を注ぐと氷が溶けていくように キラキラと輝いて 幸せそうになるせいだ。