今、社内は繁忙期。 だというのに、芹沢くんは高校生のあの頃から何も変わらずマイペースに私を置いて帰っていった。 入社した会社で再会した時にはすでに芹沢くんは入籍していて、そして見違えるほどいい男に成長していた彼は、それ以外は何一つ変わっていなかった 口数は少なく、相変わらず太い縁の眼鏡。 要領は良く、仕事も出来てーーあの頃と変わらぬ恋人を妻にして一途に尽くしていた